リブキゴX登場!

先々週くらいに沢庵が来訪して、奴が去ったその夜にリブキゴX(エックス)が俺の部屋に現れやがった。
名古屋のこの部屋に住んでから一年以上経つが、その間、この部屋内で一度も遭遇したことがなかった。
それもそのはず、リブキゴXが侵入しそうな経路はほとんどなく、ゴミもすぐに処理し水道などのパイプも入念に管理していた。
なのに、どうやって侵入したのか、俺は風呂からあがったとき、目を疑った。
「まさか」と思って、カブト虫やクワガタのメス、もしくはコオロギかと思ったが、どうみても触角がヒクヒク動いていて、奴に間違いなかった。
奴と遭遇したことが、この部屋では一度もなかったため、俺は奴に対抗する武器を持ってはいなかった。

ちなみに実家にいるときによく使っていたのが、空気銃。
だがこれは一発で頭を吹き飛ばすくらいの命中率じゃないと、逃げられる。
次に熱湯。
コップ半分くらいだけポッドから汲んであとは奴にぶっ掛ける。
(かけるとき、自分の手にかからないように注意)
これは後が汚れないのでなかなかよい。
実家ではこれが一番重宝した。
しかし、奴がやけどするのか、熱湯をかけられた奴の体は膨れあがるのちょっとキモイ。
そして定番なのが、スリッパ、もしくは新聞紙を丸めたやつ。
かなりの攻撃力はあるが、つぶれたときの白い液体がキモイ。

定番のキンチョールなどの殺虫剤は自分も苦しくなるし、部屋も汚れるので俺は極力使わない派だ。

で、今回は柱の上のほうに現れたので熱湯作戦では、はずしてしまうと逃げられるし紙を丸めたもの手が届かないので傘で攻撃することにした。

ちょっと高い位置にいたので、俺の奴への攻撃は、当たりはしたが、絶対的なダメージは与えることができなかった。
そして、次に奴は俺のほうへ飛んできやがった。
俺はあわてて交わしたが、そのせいで後ろにあった机のかどに腕をぶつけ、さらにバランスをくずして倒そうになり、またも机の角に尻をぶつけた。
その上リブキゴXの姿を見失ってしまった。

ベットのすぐ上の壁で、その戦いが行われたため、奴が逃げるとしたら、ベットのした、もしくはその近くにある服の中。
俺は奴がいつ現れるか分からないので傘を持ちながら、服を調べた。次にマットレスを持ち上げてどかし、ベッドの下を調べた。
だが、どこにも奴はいなかった。
だが、俺も腕と尻にこれだけ負傷をさせられ、このまま引き下がる訳にはいかない。
俺はどうしても、やつの息の根を止めておきたかった。
俺は、まさかとおもったが、マットレスのシーツをめくった。
その瞬間、奴は現れた。
またしても俺の方へ向かって逃げるリブキゴX。
俺は何とか奴の動きを封じた。
処理の際に紙越しにさわっても奴のキモイ感触が伝わってくる。
俺はリブキゴXを紙でくるんだ後、ビニールに封印して葬った。

しかし、その日はちょっとショックだった。
あれだけ入念にゴミもちゃんと処理をして、侵入経路は全部ふさいでいたはずだったのに。

考えられるのは沢庵か。
奴が来た直後のことだったから。
沢庵に、リブキゴXを連れてこなかったかと聞いてみた。
するとやつは
「俺が連れてきたのなら島根のリブキゴXやから大事にしないとね〜」とかほざいていた。
疑われて怒るのかと思ったら、そんな返しだった。
まあ、そんなところが奴のモテる理由なんだと思う。
俺も見習わなければ。
草食系男子の典型というべきか、(ちなみに俺は草食系のフリしてるけど、草食系ではない)
とまあ、そんな感じで、奴とほぼ同時期にリブキゴXが現れ、壮絶な戦いが繰り広げられた2週間前だった。
それから、リブキゴX一切姿を見せておらず、平和な日々を過ごしている。
やはり沢庵のせいだったのか。
かばんに入れて持ってきたのか、それともポイポイカプセルにでも詰めてきやがったのか、とにかくどうやって侵入したのかが謎だ。